研究課題/領域番号 |
17H03476
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
李家 賢一 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (20175037)
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研究分担者 |
今村 太郎 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (30371115)
砂田 保人 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (50216488)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 航空宇宙工学 / 流体工学 / 剥離流 / 流体制御 |
研究実績の概要 |
本研究の究極的な目標は、航空機の失速を防止することで、重大な航空機事故を防ぎ、社会的な重要課題である航空安全の向上に寄与することを目指すことである。そのために、申請者らが開発を続けてきた失速抑制を可能とする制御装置に関して、人工知能の手法である機械学習法を活用することで、迎角や速度のような流れ場の状況が変化したときにシステムが自動的にその変化を認識できないというこれまでの問題点を解決した失速回避方法を確立することを目的としている。 研究二年目の平成30年度は、第二段階として、前年度に構築と動作確認を行った電磁力を活用した動的駆動型の剥離泡崩壊制御板装置を用いた実験の本実験を行い、その効果を確認した。また前年度から検討してきた機械学習法のルーチンを決定し、機械学習機能を活用した失速抑制実験も行った。次に迎角に応じて適切に板高さを変更することのできる板高さ調整装置の設計と製作を行い、その動作確認を行うとともに、計測も開始した。実験の途中で、流れ場内で発生する渦構造が制御板装置の性能に及ぼす影響を調べる必要性が判明し、そのための追加実験を行う必要が発生したため補助金の繰り越しを行った。更には、剥離流れ内の流れ場構造を三次元かつ時系列の両面からできるだけ捉える風洞実験も行い、失速抑制能力向上につながる剥離流れの挙動を検討することができた。(李家、砂田) 一方、比較的低いレイノルズ数における翼型周りの低速流れを解析するため、準三次元流体解析が実行できるプログラムの開発を行った。翼スパン方向に周期境界条件を課すことにより、剥離に伴う三次元的な渦の挙動解析を実施できる目途が立った。(今村)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度計画していた機械学習法を用いて失速抑制を行う実験の最初の段階、ならびに次の段階で用いる制御板高さ調整機構を加えた動的駆動型剥離泡崩壊制御板装置の設計製作と動作確認や計測を行うことができたので、おおむね順調に進んていると判断している。
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今後の研究の推進方策 |
研究の第二段階として計画していた機械学習機能に基づく自律的制御手法を活用した機能試験を実施することができたので、今後は、失速抑制効果を高めるための板高さ可変機構や動的駆動機構を有した模型を使用する剥離泡崩壊制御板試験を引き続き実施していく。
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