研究課題
平成30年度に実施した小型高速チャネルを用いた翼型気泡発生装置の実験結果を基に、令和元年度は、海上技術安全研究所の400m水槽において、36mのモデル船を用いた曳航水槽実験を実施した。モデル船に翼型気泡発生装置を搭載し、モデル船の全抵抗、翼型気泡発生装置による空気流量、船底の気泡流の可視化、局所せん断応力などの計測実験を行った。以下に実験成果の概要を記す。①翼型気泡発生装置による正味抵抗低減に関する最適化実験36mのモデル船において翼型気泡発生装置の搭載による正味抵抗低減効果が得られた。正味抵抗低減量は翼型気泡発生装置による空気導入流量に依存する。従来の研究では、船速が速いほど大きな正味抵抗効果が得られると考えられていたが、本実験の結果では、正味抵抗低減効果が最大となる最適な船速が存在し、従来型の翼型気泡発生装置の場合、約10ノットの船速において、最大12%程度の正味抵抗低減効果が得られることが明らかになった。高速流の場合、翼上面のキャビティ形成による圧力損失の影響で空気導入性能が低下することが前年度の小型高速度チャネルを用いた実験結果で明らかになっているが、その結果とも整合的であった。②微小気泡生成デバイスの開発および気泡群の流れの制御に関する実験翼型気泡発生装置の翼形状の改善によって、高速せん断流れによる導入空気の微細化促進を実現した。本実験において、気泡の微細化による抵抗低減効果の増大が確認された。また、翼形状や翼配列の最適化によって、気泡群の流れの制御が可能であることを示した。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Proceedings of the ASME-JSME-KSME 2019 Joint Fluids Engineering Conference
巻: - ページ: 1-6