研究課題
本研究では、核融合炉用分割型高温超伝導マグネットの保守・運用に向けて、1. 保全シナリオを考慮した接合技術の最適化、2. 高温超伝導線材へのクエンチ検出機能付加によるマグネット状態監視保全技術の開発、を行うことを目的とする。本年度の研究実績は以下の通りである。1. 保全シナリオを考慮した接合技術の最適化:分割型マグネット接合部の製作・冷却・運転時に発生する応力・ひずみ状態を構造解析によって評価し、接合部の機械試験結果をベースに、接合部の健全性を検証した。従来の接合構造では、接合部の臨界電流低下を引き起こす可能性があったため、構造解析結果に基づき、これを改善するための接合部構造の提案を行った。また、接合部着脱を見据えて機械的エッジジョイントの接合構造の改善案を複数検討し、各構造において抵抗に影響を与える因子を数値計算と実験の結果を比べることによって明らかにした。さらに、着脱回数と接合抵抗の関係性を実験的に評価し、提案した接合構造によって着脱の繰り返しによる接合抵抗の上昇を、従来の接合構造よりも抑えることに成功した。2. 高温超伝導線材へのクエンチ検出機能付加によるマグネット状態監視保全技術の開発:クエンチ検出用超伝導センサの最適設計に向け、数値計算によりセンサ構造や材料物性等のセンサ検出性能に関わる因子を推定し、センサの最適構造の設計方針を得た。また、超伝導材料を"Nb-Ti"、磁場環境を"自己磁場下"と対象を絞り、センサのクエンチ検出性能の構造依存性を実験的に検証した。実験結果と数値計算による予測は良好に一致した。更にクエンチ発生箇所特定技術の開発として、超伝導導波管の初期検討を数値計算で行った。結果、銅酸化物系の超伝導材料の相転移を利用し、目的の信号を得られる可能性が示された。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2020 2019 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 9件、 招待講演 3件)
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