研究課題
本研究ではJT-60Uの高ベータプラズマ実験のデータを対象として、全状態探索によるスパースモデリングを用いて、ディスラプションを誘起する特徴パラメータの抽出を目指しており、その結果、23の実験パラメータから5~7個の重要因子パラメータの抽出に成功した。またこれらの重要因子パラメータを用いたディスラプションの発生確率を導入し、炉心プラズマの動的制御の可能性を示すことができた。ディスラプション予知に関して、本研究では予測成功率(PSR)と誤警報率(FAR)を評価値として計算しているが、これらの評価値からディスラプションの予測・予知をどのような評価指標でディスラプションの予測・予知を行うかとして、我々が用いた手法(Distance:理想的な結果(PSR=100%,FAR=0%)に如何に近いか)に加えて、医療現場で用いられている手法であるAUC(Area Uner the ROC Curve)や、それを発展させたFARtop(TOP data of smallest FAR)を導入し、相互比較を行った。その結果、規格化ベータ値、グリーンワルド密度限界比、イオン温度勾配などはすべてに共通していたが、それ以外のパラメータに関しては、その重要度に違いが生じた。これは、Distanceではサポートベクターマシーンでの解析において、ディスラプション有無の境界であるハイパープレーンを決定論的に選択しているのに対して、AUCおよびFARtopでは、その境界を恣意的に変化させて、ディスラプションの発生を確率論的に決定していることによる違いであると推測した。例えば、ディスラプションの誘起因子を理論的に演繹するには決定論に基づくDistanceの手法が適しており、実際の実験において実験家が出来るだけディスラプションを避ける運転をしたいならAUCやFARtopが適している、ということが判った。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Fusion Engineering and Design
巻: 140 ページ: 67-80
https://doi.org/10.1016/j.fusengdes.2019.01.128