研究課題/領域番号 |
17H03518
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
沖田 泰良 東京大学, 人工物工学研究センター, 准教授 (50401146)
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研究分担者 |
鈴木 克幸 東京大学, 人工物工学研究センター, 教授 (10235939)
増田 昌敬 東京大学, 人工物工学研究センター, 教授 (50190369)
Liang Yunfeng 東京大学, 人工物工学研究センター, 特任准教授 (70565522)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 分子シミュレーション / 構造材料 / 照射損傷 / マルチスケールモデル |
研究実績の概要 |
(1) 連成解析フレームワーク構築:分子動力学(MD)と有限要素解析(FEM)の連成手法を詳細に検討した。通常のMDや非定常FEMと同様に、原点及び節点にかかる力を求め、原子・節点の加速度を算出し、これを時間積分して原子・節点の速度と位置を順次計算していく。シミュレーションの各時間ステップで、MDとFEMの境界領域に設置する二重解像度要素 (DRE) 内の原子加速度を節点加速度に換算し、それをFEMによって算出された節点加速度と力学的に均衡させ、調整後の節点加速度を改めて原子加速度に換算する。これにより、DRE内の原子と節点の挙動から力学的矛盾が排除されることを確認した。本連成解析手法の検証として、MD法単独でも再現可能なサイズの完全結晶計算セルに対して応力付加下での弾性応答をMD法のみの結果と比較し、良い一致を示すことを確認した。 (2) MD-FEM換算手法の構築:MD法で記述される原子変位をFEMの接点変位に換算する写像、その逆に相当する写像を求めた。DRE領域内では変位の線型性が保たれるため、FEMの接点変位からMD法の原子変位に変換する写像はFEMの内挿関数同様に簡略化した行列で表すことが可能であった。一方、MD法の原子変位からFEMの接点変位に変換する写像については、直交性などの条件を設定することで、一意に定めることが可能となった。 (3) 熱伝導の適正化:統計力学的手法に基づいて、DRE領域で格子振動を調整し、熱伝導を適正化する手法を構築した。これにより、MD領域で不自然な温度上昇が発生する課題を解決した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
熱伝導の適正化に関しては、更に詳細な検討を行う必要はあるが、連成解析の大枠を構築することに成功した。
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今後の研究の推進方策 |
特に、熱伝導の適正化に関しては、各計算毎に妥当性を検討する必要がある。
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