脳において最も数多くの神経細胞が存在する小脳は、動物の多様な行動の発現や適応に重要な役割を果たすと考えられている。これまで、小脳の運動制御や運動学習のメカニズムは、単純な反射運動や眼球運動をモデルとして研究されてきたが、外部の環境に応じた判断をして適切な行動を行い報酬を得るといった複雑な行動における小脳の役割についてはよくわかっていない。本研究によって、行動に関する様々な情報が各モジュールで並列に処理されていることを示した。この結果は、これまで主に運動機能に着目して研究が進められてきた小脳が、非運動機能に関わる情報も同時に処理し、高度な行動の発現に貢献していることを示している。
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