• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2017 年度 実績報告書

神経軸索再生を制御するsvh遺伝子群の解析

研究課題

研究課題/領域番号 17H03544
研究機関名古屋大学

研究代表者

久本 直毅  名古屋大学, 理学研究科, 教授 (80283456)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード神経軸索再生 / svh
研究実績の概要

切断された神経軸索の再生機構の解明は、神経損傷により起こる感覚障害や運動障害の治療に繋がることから、学術的にも社会的にも喫緊の課題である。研究代表者はC. エレガンスをモデル動物として、軸索再生を制御する因子を網羅的に探索した結果、これまでに92個の候補遺伝子(svh遺伝子)を同定し、その一部を解析することで多くの知見を得てきた。本研究ではそれを土台にした上で、軸索再生を制御する遺伝子候補として同定されたsvh-6, 7, 9, 10, 11, 12 および14 以降のsvh 遺伝子について解析を進めている。今年度は、その一つであるsvh-14について詳細な解析を行った。SVH-14は哺乳動物の転写因子Maxの線虫ホモログである。これまでの解析から線虫のSVH-14はMADホモログMDL-1と複合体を形成し、寿命に対して負に作用することが報告されている。しかし我々の解析では、MDL-1は神経軸索再生に必要ではなかったことから、SVH-14は未知の因子と複合体を形成して神経軸索再生を制御することが推測されていた。そこで今回、酵母ツーハイブリッド法を用いて、SVH-14に結合する因子の探索を行ったところ、すでにSVH-14に結合することが知られているMDL-1に加えて、これまで報告のない新規の結合因子を複数同定することができた。そのうち、結合因子YについてCRISPR-Cas9法による遺伝子欠損変異体の作成を試みたところ、その第3エキソンを8塩基欠損したことによりフレームシフトを起こした変異を単離することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

svh-14について、その周辺因子の同定に成功し、さらにその遺伝子欠損変異体も作成できた。

今後の研究の推進方策

単離した遺伝子の欠損変異体について、神経軸索再生への関与やsvh-14との遺伝学的関係を調べる。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2017 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)

  • [国際共同研究] DBS-TIFR(インド)

    • 国名
      インド
    • 外国機関名
      DBS-TIFR
  • [雑誌論文] UNC-16/JIP3 regulates early events in synaptic vesicle protein trafficking via LRK-1/LRRK2 and AP complexes2017

    • 著者名/発表者名
      Choudhary Bikash、Kamak Madhushree、Ratnakaran Neena、Kumar Jitendra、Awasthi Anjali、Li Chun、Nguyen Ken、Matsumoto Kunihiro、Hisamoto Naoki、Koushika Sandhya P.
    • 雑誌名

      PLOS Genetics

      巻: 13 ページ: e1007100

    • DOI

      10.1371/journal.pgen.1007100

  • [雑誌論文] Heavy Metal Stress Assay of Caenorhabditis elegans2017

    • 著者名/発表者名
      Pastuhov Strahil、Shimizu Tatsuhiro、Hisamoto Naoki
    • 雑誌名

      BIO-PROTOCOL

      巻: 7 ページ: e2312

    • DOI

      10.21769/BioProtoc.2312

  • [雑誌論文] Signal transduction cascades in axon regeneration: insights from C. elegans2017

    • 著者名/発表者名
      Hisamoto Naoki、Matsumoto Kunihiro
    • 雑誌名

      Current Opinion in Genetics & Development

      巻: 44 ページ: 54~60

    • DOI

      10.1016/j.gde.2017.01.010

  • [学会発表] The role of serotonin in C. elegans axon regeneration.2017

    • 著者名/発表者名
      Hisamoto N
    • 学会等名
      International Workshop on NeuroScience, Nagoya, Japan
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] N-glycosylation is required for axon regeneration in Caenorhabditis elegans through modification of discoidin domain receptor.2017

    • 著者名/発表者名
      Takeo M, Kato Y, Matsumoto K, K, Hisamoto N
    • 学会等名
      21st International C. elegans Conference, Los Angeles, USA
    • 国際学会
  • [学会発表] 線虫EnigmaホモログによるRhoキナーゼシグナルを介した神経軸索再生制御2017

    • 著者名/発表者名
      清水達太、松本邦弘、久本直毅
    • 学会等名
      2017年度生命科学系学会合同年次大会
  • [学会発表] 線虫においてコンドロイチン硫酸は加齢依存的な神経軸索の再生能低下に関与する2017

    • 著者名/発表者名
      竹生実希子、松本邦弘、久本直毅
    • 学会等名
      2017年度生命科学系学会合同年次大会

URL: 

公開日: 2019-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi