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2018 年度 実績報告書

神経軸索再生を制御するsvh遺伝子群の解析

研究課題

研究課題/領域番号 17H03544
研究機関名古屋大学

研究代表者

久本 直毅  名古屋大学, 理学研究科, 教授 (80283456)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード神経軸索再生 / C.エレガンス
研究実績の概要

今年度は、昨年度に酵母ツーハイブリッド法により同定していた、哺乳動物Maxの線虫ホモログsvh-14に結合する因子Yについて、さらなる解析を行なった。因子Yは、Ets結合タンパク質TDP2の線虫ホモログTDPT-1であった。さらに、昨年度にCRISPR/Cas9法により作成した、tdpt-1欠損変異体について、軸索再生への関与を調べたところ、再生率は野生型と同程度か、やや高めの値を示した。そこで、tdpt-1が軸索再生を負に調節する因子ではないかと考え、mxl-1との二重変異体を作成したところ、mxl-1欠損変異による軸索再生率の低下がtdpt-1の欠損により抑圧された。よって、MXL-1はTDPT-1を負に制御することにより、神経軸索再生を促進することが示唆された。TDPT-1がTDP2のホモログであることから、TDPT-1もTDP2と同様にEts型転写因子に結合する可能性が考えられた。これまでの研究から、線虫の軸索再生に関わるEts型転写因子としてETS-4が同定されている。そこでまず、哺乳動物培養細胞を用いて、TDPT-1とETS-4の結合を生化学的に検討したところ、両者が結合することが判明した。さらに、哺乳動物のTDP2はSUMOおよびSUMOリガーゼと結合することが知られていることから、TDPT-1がETS-4をSUMO化するか可能性を考え、生化学的に検討したところ、哺乳動物細胞で発現させたETS-4はTDPT-1と共発現させるとSUMO化されることを見出した。以上のことから、軸索再生においてSVH-14はTDPT-1を抑制すること、またTDPT-1はETS-4のSUMO化を誘導することが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

すでに論文の投稿段階まで進んでいる。

今後の研究の推進方策

論文の受理を目指すべく、必要な実験を遂行する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Phosphatidylserine exposure mediated by ABC transporter activates the integrin signaling pathway promoting axon regeneration2018

    • 著者名/発表者名
      Hisamoto Naoki、Tsuge Anna、Pastuhov Strahil Iv.、Shimizu Tatsuhiro、Hanafusa Hiroshi、Matsumoto Kunihiro
    • 雑誌名

      Nature Communications

      巻: 9 ページ: 3099

    • DOI

      doi: 10.1038/s41467-018-05478-w

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] The C.elegans BRCA2-ALP/Enigma Complex Regulates Axon Regeneration via a Rho GTPase-ROCK-MLC Phosphorylation Pathway2018

    • 著者名/発表者名
      Shimizu Tatsuhiro、Pastuhov Strahil Iv.、Hanafusa Hiroshi、Matsumoto Kunihiro、Hisamoto Naoki
    • 雑誌名

      Cell Reports

      巻: 24 ページ: 1880~1889

    • DOI

      doi: 10.1016/j.celrep.2018.07.049

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] The C. elegans BRCA2-ALP/Enigma complex regulates axon regeneration via a Rho GTPase-MLC phosphorylation pathway.2018

    • 著者名/発表者名
      T. Shimizu
    • 学会等名
      2018 Asia-Pacific Meeting, Seoul, Korea
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2021-01-27  

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