模倣学習に必要な要素は,外界のモデル化と,自己の行動の評価である.しかし外界がどのように脳内で表現され,行動選択に反映されているのかは,あまり明らかではなかった.本研究では生まれながらに模倣学習が容易な鳴禽類に加えて,遺伝子操作が簡便なげっ歯類を用いて,外界の変化を予測しながら行動選択を行う仕組みを調べた.本研究では,鳴禽類でもマウスでも,高次運動野およびその周辺領域が外界のモデル化と行動への反映に重要な働きをする事が明らかになった.今後は高次運動野領域と報酬系との関わりを調べる事で,自己の行動を変容させる仕組みが明らかになるだろう.
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