研究課題
アルツハイマー病の病態は、ベータアミロイドペプチ(Aβ)オリゴマー形成、老人斑の形成、神経原線維変化の形成と進んでいくと考えられている。しかしながら、それぞれの異常蛋白相互の関連については良く解っていない。これらの異常蛋白相互の関連を明らかにするためには、複数の異常蛋白をin vivoで同時に画像化する技術が不可欠である。我々はこれまで、超高磁場MR画像装置を用い、フッ素MR画像法による画像化技術の開発に取り組み、最近、試薬の出す19F-NMR信号のケミカルシフトの違いを利用して、複数の脳内異常蛋白を同時画像化(多重フッ素MR画像法)することに成功した。本研究では、Aβオリゴマー、老人斑、神経原線維変化、の3つの標的に的を絞り、多重フッ素MR画像法を用いて同時解析を行う。アルツハイマー病の遺伝子改変モデルマウスに対して、経時的に多重フッ素MR画像を試み、Aβオリゴマーや老人斑、神経原線維変化がどのように脳内で形成されて伝搬していくか、in vivoで解析する.アルツハイマー病は、本来、この3つの主要病変が相互作用しながら進展しており、ひとつの病変(たとえばアミロイド病理)を標的にした薬であっても、3病変に対して影響を及ぼしていることは、十分に考えられる。したがって、動物を生かしたまま複数の病変を解析できる技術は、治療薬開発にとっても極めて重要と考える。そこで、多重フッ素MR画像法を治療薬開発研究に応用する。とともに、治療薬の効果を検証する。令和2年度は、研究系各区の最終年度にあたることから、これまでの研究成果をまとめて、総説として論文発表する。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 産業財産権 (2件)
Biomaterials
巻: 270 ページ: 120686
10.1016/j.biomaterials.2021.120686
Molecules
巻: 26 ページ: 1362
10.3390/molecules26051362
Journal of Alzheimer's Disease
巻: 75 ページ: 45-60
10.3233/JAD-191081
International Journal of Molecular Sciences
巻: 21 ページ: E3635
10.3390/ijms21103635
Biochemical and Biophysical Research Communications
巻: 532 ページ: 668-674
10.1016/j.bbrc.2020.08.114
巻: 21 ページ: 9357
10.3390/ijms21249357