研究実績の概要 |
1)細菌由来抗原刺激によるMAIT細胞の活性化:マウスMAIT細胞由来iPS細胞から再分化した再生MAIT細胞(reMAIT細胞)およびマウスMAIT細胞由来iPS細胞からキメラマウスを介して樹立した2系統のMAITマウス(Vα19マウスおよびVβ8マウス)の脾細胞から分離したリンパ球を用い、ΜΑΙΤ細胞のアゴニストと知られる細菌由来ビタミンΒ2代謝中間体から合成される5-OP-RUによるex vivoでのMAIT細胞の活性化能を調べた。reMAIT細胞、MAITマウス由来MAIT細胞とも5-OP-RUの濃度依存的にT細胞活性化マーカーであるCD25およびCD69の発現が有意に亢進した。さらに活性化によりTh1、Th2、Th17系の種々のサイトカイン、ケモカインも産生されることをマルチプレックスイムノアッセイによって明らかにした。 2)サイトカイン刺激によるMAIT細胞の活性化:MAIT細胞はT細胞受容体を介したMR1分子に提示された抗原刺激によって活性化するだけでなく、T細胞受容体非依存的に自然免疫系細胞をはじめとする他の細胞が産生するサイトカインによって活性化することが知られている。そこでreMAIT細胞ならびにMAITマウス由来MAIT細胞のサイトカインによる活性化をCD25およびCD69の発現亢進により評価した。IL12, IL18, IL15, TL1Aを混合添加培地でMAIT細胞を培養することにより、5-OP-RUでの刺激と同等の活性化を示すことが明らかになった。上記1および2の結果により、reMAIT細胞ならびにMAITマウス由来MAIT細胞はこれまでに報告されているendogenous MAIT細胞と同等の機能を有することが明らかになり、新規MAIT細胞モデルとしての有用性が確立された。
|