研究課題
1) MAITマウスの解析: MAIT-iPS細胞からキメラマウスを介して得たMAIT細胞由来の遺伝子再構成済みT細胞受容体α鎖またはβ鎖遺伝子をもつC57BL/6系統のMAIマウスVα19、Vβ8マウスにおけるMAIT細胞の組織局在、フェノタイプ等を解析した。Vα19マウスは各組織に存在するT細胞の20~50%、Vβ8マウスは0.5~10%と顕著にMAIT細胞が増加した。Vα19マウスから得たMAIT細胞をビタミンB2代謝産物の誘導体である5-OP-RUでin vitroにおいて刺激したところ、Vβ8マウスMAIT細胞、iPS細胞から分化誘導したreMAIT細胞と同等の活性化を示し、ΜΑΙΤ細胞の特徴的な機能を有することが示された。2) MAITマウスを用いたBCG感染実験:Vα19マウスにBCGワクチン株を静脈内接種し、脾臓、肝臓、肺の細菌数を測定しC57BL/6と比較した。感染後10日目、C57BL/6では肝臓において著しい感染を認めたが、Vα19マウスの肝臓ではほぼ感染が抑えられていた。脾臓、肺においてはいずれのマウスでも感染は低かった。感染後20日目では、C57BL/6の肝臓での細菌数は10日目より低下したが、Vα19マウスでは逆に肝臓で著しい細菌増殖が認められ、脾臓においても一部のマウスでは細菌数が高かった。この結果より、MAIT細胞はBCGの感染増殖ピークを遅らせることが示唆された。しかしVα19マウスがその後の感染を制御できなかった理由として、このマウスは遺伝子再構成済みVα鎖遺伝子を遺伝的に持つことの弊害として獲得免疫に機能するΤ細胞レパトアが少ないことが原因として考えられた。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Recent Advances in iPSC-Derived Cell Types, Volume 4 in Advances in Stem Cell Biology
巻: 4 ページ: 31~47
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https://www.dokkyomed.ac.jp/dmu/research/facility/advanced-medicine/biological-defense.html