研究課題/領域番号 |
17H03568
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
杉山 文博 筑波大学, 医学医療系, 教授 (90226481)
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研究分担者 |
水野 聖哉 筑波大学, 医学医療系, 助教 (10633141)
高橋 英機 国立研究開発法人理化学研究所, 脳科学総合研究センター, 支援ユニットリーダー (40446521)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 多能性幹細胞 / マウス / マーモセット / 異種間キメラ |
研究実績の概要 |
多能性幹細胞と初期胚とのキメラ形成は最も厳格な多能性評価方法である。しかし、ヒト多能性幹細胞は異種キメラ形成能を欠くことからこの多能性評価が困難であった。最近マウス原腸胚へのヒト多能性幹細胞注入により効率に多能性幹細胞が統合され、運命決定されることが明らかとなった。しかしながら、多能性幹細胞がどの胚葉系の組織に駐在して移動・分化をしていくのか継時的に容易に解析することは困難であった。そこで申請者はヒト多能性幹細胞評価を革新するため、三胚葉を蛍光mappingできるマウスを開発し、非ヒト霊長類であるマーモセット多能性幹細胞とMIERU(ミエル、Multi-color Imaging of Embryonic Development by Reporter Units)マウス原腸胚にて高精度Stage-matching異種間キメラ解析システムを構築することを本研究の目的とした。平成29年度は外胚葉、内胚葉、中胚葉を可視化するための蛍光タンパク遺伝子をCRISPR/Cas9システムを用い、標的とする遺伝子(Orthodenticle homeobox 2、Sex determining region Y-box 17 Brachyury)に対してバイシストリックシステムにて蛍光タンパク(tdTomato、EGFP、Tag-BFP)が発現するように工夫した外来遺伝子をマウス受精卵に導入し、蛍光タンパク遺伝子が標的部位にノックインされたレポーターマウスの作製に成功した。また、臓側内胚葉を可視化するためのレポーターマウス開発にも着手した。そして、マーモセットの人工多能性幹細胞は現在樹立中であり、既に胚盤胞内部細胞塊より樹立されたマーモセット胚性幹細胞も入手し、培養系を立ち上げた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
①CRISPR/Cas9システムによりマウスOrthodenticle homeobox 2 (Otx2) 遺伝子終止コドン直上流に2A配列を介しバイシストリックにtdTomatoレポーター遺伝子を導入したマウスの作製に成功した。②CRISPR/Cas9システムによりマウスBrachyury(T)遺伝子終止コドン直上流に2A配列を介しバイシストリックにTagBFPレポーター遺伝子を導入したマウスの作製に成功した。③CRISPR/Cas9システムによりマウスSRY (sex determining region Y)-box 17(Sox17)遺伝子終止コドン直上流に2A配列を介しバイシストリックにEGFPレポーター遺伝子を導入したマウスの作製に成功した。④CRISPR/Cas9システムにより臓側内胚葉をtdTomato以上の長波長域で赤蛍光するLefty1バイシストリックE2-Crimsonレポーターマウスの作製に着手した。⑤マーモセットiPSCの樹立を開始、マーモセットES細胞を入手し、培養系を立ち上げた。
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今後の研究の推進方策 |
Stage-matching異種間キメラマウス解析に空間的な解析システムを加えるため、①原腸胚より三胚葉がmappingできるマウスの開発、②ヒトPSCの代替として非ヒト霊長類のマーモセットiPSCとマーモセットES細胞によるヒト多能性幹細胞の評価の高精度異種間キメラ解析システム基盤ツールの手技を開発する。 ①CRISPR/Cas9システムによりマウスOrthodenticle homeobox 2 (Otx2) 遺伝子終止コドン直上流に2A配列を介しバイシストリックにtdTomatoレポーター遺伝子を導入したマウスについてレポーター遺伝子発現分布を原腸胚前後で特徴づける。②CRISPR/Cas9システムによりマウスBrachyury(T)遺伝子終止コドン直上流に2A配列を介しバイシストリックにTagBFPレポーター遺伝子を導入したマウスについてレポーター遺伝子発現分布を原腸胚前後で特徴づける。③CRISPR/Cas9システムによりマウスSRY (sex determining region Y)-box 17(Sox17)遺伝子終止コドン直上流に2A配列を介しバイシストリックにEGFPレポーター遺伝子を導入したマウスについてレポーター遺伝子発現分布を原腸胚前後で特徴づける。④CRISPR/Cas9システムにより臓側内胚葉をtdTomato以上の長波長域で赤蛍光するLefty1バイシストリックE2-Crimsonレポーターマウスを作製する。⑤上記マウスを交配し、三胚葉の空間的情報を検討可能なMIERUマウスを作出する。⑥マーモセットiPSCを樹立し、マーモセットES細胞とともにその形質を分子生物学的に特徴づける。⑦MIERUマウスの原腸胚にマウスエピブラスト細胞を注入し、MIERUマウスの有用性を検討する。
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