様々な悪性進展のコンテクストにおけるRB1機能の分子基盤を網羅的に探索し、脂質代謝を司るSREBP転写因子群や解糖系酵素であるPGAM1,2がRB1の重要な標的である事等を見出した。そして、これらの発見をヒントに、RB1が、細胞周期の調節や組織特異的転写因子との協調に加え、代謝を巧妙に調節する事によって、細胞の未分化な挙動を制御するという概念を提唱した。RB1が代謝を制御するメカニズムとその生理的意義を詳細に解析することによって、がん治療の標的としてのがん代謝の本態に迫りつつある。また、RB1の標的遺伝子のいくつかにおいてその治療標的としてのPOCを得た。
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