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2019 年度 実績報告書

xCT阻害剤による小細胞肺癌のフェロトーシス誘導機構の解明とその抗腫瘍効果の検討

研究課題

研究課題/領域番号 17H03583
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

永野 修  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (30404346)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード小細胞肺癌 / フェロトーシス / xCT
研究実績の概要

本年度は以下の項目について検討を行った。①SCLCの遺伝的背景とフェロトーシス感受性の関連についての検討:遺伝子発現解析から得られたフェロトーシス感受性肺癌細胞に共通する遺伝子リストを比較して解析し、SLC7A1(xCT)やSLC3A2(CD98hc)の発現のほか、新たにMALT1やBIRC3といった遺伝子の発現がSCLCで低下していることがxCT阻害剤に対する感受性と強く相関することを見出した。また、xCTについてもヒト肺癌組織検体を用いて免疫染色を行い、組織マイクロアレイにて発現解析を行った。その結果、NSCLCでは腫瘍組織の70%でxCT陽性であるのに対し、SCLC組織の陽性率は43%であった。このようにヒト肺がん検体においてもSCLCはxCT低発現であることが判明し、xCT阻害治療の有効性が示唆された。②xCT阻害剤耐性SCLCの作製と耐性化に関わる遺伝子発現解析:SBC5細胞のスルファサラジン耐性株SBC5-SSZRを用いてRNA-seq解析を実施し、耐性化によって発現上昇する遺伝子群を同定した。③SCLCに高頻度で見られる遺伝子変化を反映したモデルマウスの作製:SCLCモデルであるRPMマウスより腫瘍オルガノイドを作製し、皮下移植を行い、ゼノグラフトモデルを作製した。作成した腫瘍においてSCLCマーカーであるASCL1, NEUROD, Synaptophysinについて免疫染色を行い、これらが陽性であることを確認した。④xCT阻害剤による治療実験と非臨床POCの取得:上記のゼノグラフトモデルに対してxCT阻害剤スルファサラジンの効果を検討した。その結果、高い抗腫瘍効果が確認できた。このことから、SCLCにおいてxCT阻害によるフェロトーシス誘導治療が有効であるという非臨床POCが得られた。

現在までの達成度 (段落)

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Vasodilator oxyfedrine inhibits aldehyde metabolism and thereby sensitizes cancer cells to xCT-targeted therapy.2020

    • 著者名/発表者名
      Otsuki Y, Yamasaki J, Suina K, Okazaki S, Koike N, Saya H, Nagano O.
    • 雑誌名

      Cancer Science

      巻: 111 ページ: 127-136

    • DOI

      doi: 10.1111/cas.14224.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Glutaminolysis-related genes determine sensitivity to xCT-targeted therapy in head and neck squamous cell carcinoma.2019

    • 著者名/発表者名
      Okazaki S, Umene K, Yamasaki J, Suina K, Otsuki Y, Yoshikawa M, Minami Y, Masuko T, Kawaguchi S, Nakayama H, Banno K, Aoki D, Saya H, Nagano O.
    • 雑誌名

      Cancer Science

      巻: 110 ページ: 3453-3463

    • DOI

      doi: 10.1111/cas.14182.

    • 査読あり
  • [学会発表] xCT阻害剤抵抗性を示す癌細胞に対してxCT阻害剤と合成致死を誘導する薬剤の同定2019

    • 著者名/発表者名
      永野 修
    • 学会等名
      第42回日本分子生物学会年会

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公開日: 2021-01-27  

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