研究分担者 |
阪原 晴海 浜松医科大学, 医学部, 教授 (10187031)
芳澤 暢子 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (10402314)
山根 登茂彦 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (20526660)
上田 重人 埼玉医科大学, 医学部, 非常勤講師 (20646947)
小倉 廣之 浜松医科大学, 医学部, 助教 (50402285)
久慈 一英 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (90283142)
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研究実績の概要 |
我々は乳癌の術前化学療法において、時間分解拡散光スペクトロスコピーイメージング装置(TRS)を用いて、治療前、1-2サイクル後に腫瘍ヘモグロビン濃度(tHb)を 計測し、その減少率が大きい治療反応群は非反応群と比較し て、病理学的完全奏効(pCR)率が高いことを報告した(JNM2016)。腫瘍付近では正常組織に比べて 水分量(water)や 脂肪量(lipid)などに特徴を持つことが報告されている。今回、ブロードバンドなセンシング技術を採用して600-1200nmまで光の波長を広げ、マルチパラメトリックな組織代謝パラメータの測定装置(以下TRS6W)を浜松ホトニクス中央研究所とともに開発し、パイロット研究を実 施した。 (方法)原発性乳癌患者10名を登録し、腫瘍直上と正常乳腺の組織代謝パラメータを測定し、術前化学療法の開始 前および早期(投与数日後、1-2サイクル終了後)に、腫瘍tHb、組織酸素飽和濃度(SO2)、water、lipidの 4項目のマルチ パラメータを同時測定した。 (結果)治療前の腫瘍直上の値と対側正常乳房の値は、tHb (平均27.5±68.9 vs. 14.9±13.9, p =0.01), SO2 (平均 74.6±29.9 vs. 83.1±4.4, p =0.01), water (平均33.1±226.8 vs. 14.9±11.1, p = 0.02), lipid (平均53.7±91.7 vs. 67.3±4.0, p = 0.01)であった。治療開始後2day,1week,および1-2サイクル後のパラメータ変動を表に示した。 (結語)化学療法後、腫瘍tHbとwaterは低下する一方、lipidは上昇する傾向にあった。TRS6Wによる光学的生体機能 の多面的計測により腫瘍の微小環境や薬物の治療効果の特性を可視化できるものと考える。
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