研究課題
我々はがん組織の酸素化ヘモグロビン、脱酸素化ヘモグロビン、酸素飽和度、水、脂肪濃度、散乱強度を計測するマルチパラメトリック拡散光スペクトロスコピー(TRS6W)を浜松ホトニクス中央研究所などとの協力の下に開発した。1)TRS6Wを用いた乳房のヘモグロビン濃度の測定では、深部方向に存在する胸壁が強く影響する。胸壁の影響を減らし、測定対象部をより正確に測定する適切な光源検出器間距離を検討するため、光源検出器間距離が変更可能な装置で測定を行い、論文発表した。2)ヘモグロビン濃度の測定に加え、水・脂肪濃度も測定可能な6波長TRS6Wの臨床での稼働にあたり、測定可能なMRIのIDEAL IQ 法を用いることで水・脂肪濃度の異なる数種類のファントムで評価した。6波長TRS装置が水・脂肪濃度を正確に測定可能であることを論文発表した。3)TRS6Wを用いてより正確に術前化学療法の効果判定を行うため、胸壁の影響を減らす方法を検討した。化学療法の治療前後でTRS6Wによるヘモグロビン濃度測定およびFDG-PET CT検査を行い、皮膚から胸壁までの距離でTRS6Wによる測定値を補正した場合、治療効果判定がより正確に行えることを論文発表した。4)TRS6Wにより生体での水・脂肪濃度の測定精度を評価した。乳癌患者に対して、腫瘍部および健側乳房を6波長TRS装置で測定した。TRS6Wとdual energy CT検査による脂肪濃度、水濃度を比較した結果、有意な相関があることを論文発表した。5)TRS6Wをベッドサイドで定量的に計測・画像化し、薬物療法の開始前後の継時的変化を観察し、がんの組織不均一性や抗がん剤の早期治療反応性の臨床研究を行った。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2019
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件)
Technol Cancer Res Treat.
巻: 18 ページ: 1533-1538
10.1177/1533033819830411
Optical Review
巻: 26 ページ: 111-117
10.1364/BOE.9.005792
Appl. Sci.
巻: 9(7) ページ: 1482
org/10.3390/app9071482