研究課題/領域番号 |
17H03592
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
腫瘍診断学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
齋藤 義正 慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 准教授 (90360114)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 胆道がん / 膵臓がん / オルガノイド / ドラッグ・リポジショニング / 抗真菌薬 |
研究成果の概要 |
本研究では、複数の胆道・膵臓がんの患者より提供されたがん組織を用いてオルガノイドを樹立し、1年以上にわたり安定的に培養・維持することに成功した。 これらの胆道・膵臓がんオルガノイドを用いて、遺伝子発現や遺伝子変異などを解析し、SOX2、KLK6、CPB2遺伝子の発現が、胆道・膵臓がん患者の予後を予測する新たなバイオマーカーとなる可能性を見出した。 さらに、既存薬ライブラリーを用いたスクリーニングを行ったところ、アモロルフィンやフェンチコナゾールなどの抗真菌薬がヒット化合物の中に含まれており、これらの薬剤が胆道がんや膵臓がんを効率的に抑制する新たな予防・治療薬の候補になると考えられた。
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自由記述の分野 |
腫瘍治療学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究成果についてプレスリリースを行なったところ、非常に大きな反響があり、多くの末期胆道がんの患者さんより、手紙やメールなどで直接問い合わせがあった。いずれも現行の治療で効果がなく、抗真菌薬の投与を試してみたい、または、もし治験が始まっているのであれば、是非エントリーしたいとのことであった。今後は、今回のスクリーニングにより特定された抗真菌薬や脂質異常症治療薬を基盤とした低分子化合物に関する基礎研究をさらに進め、動物実験、非臨床Proof of Concept (POC) の取得、医師主導治験を経て、可能な限り早く、胆道・膵臓がんに対する新たな治療薬の創出につなげていきたいと考えている。
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