研究課題/領域番号 |
17H03594
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
斎藤 益満 国立感染症研究所, 血液・安全性研究部, 主任研究官 (20571045)
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研究分担者 |
長谷川 寛雄 長崎大学, 病院(医学系), 准教授 (00398166)
緒方 正男 大分大学, 医学部, 講師 (10332892)
谷生 道一 国立感染症研究所, 血液・安全性研究部, 主任研究官 (10416662)
今泉 芳孝 長崎大学, 病院(医学系), 講師 (40404305)
日吉 真照 国立感染症研究所, 血液・安全性研究部, 主任研究官 (40448519)
伊波 英克 大分大学, 医学部, 准教授 (50242631)
百瀬 暖佳 国立感染症研究所, 血液・安全性研究部, 主任研究官 (70415488)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | HTLV-1挿入部位解析 / HTLV-1変異解析 |
研究実績の概要 |
ヒトT 細胞白血病ウイルス1 型(HTLV-1)感染者の約5%が成人T 細胞白血病・リンパ腫(ATL)を発症するが、その原因・機序は不明であった。本研究(5年計画)では、ATL発症機序の解明及びATL発症リスク判定法を開初を目的にこれまで研究を行ってきた。本研究計画の3年目までに、ATL約300検体とキャリア約50検体を収集し、当初の目的以上の検体数が得られた。これらの検体におけるHTLV-1挿入部位を我々が新規に開発したRAIS法を用いてHTLV-1挿入部位を増幅し、サンガーシーケンス及び次世代シーケンスを用いて解析した(特許出願済み、現在論文投稿中)。ATLとキャリアにおけるHTLV-1挿入部位を染色体上にマッピングし、比較・検討を行った結果、ATLとキャリアにおけるHTLV-1挿入部位が異なることを見出した。またHTLV-1全ゲノムシーケンス解析を行い、変異解析を行った結果、ATL特異的HTLV-1変異を見出した。さらにHTLV-1挿入部位解析とHTLV-1変異解析から得られた結果から、ATL発症モデルマウスを作製し、現在解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の研究計画以上の患者検体が収集できた。またHTLV-1挿入部位を容易に解析可能な方法を開発し、特許出願を行った。現在、この解析法がサービス展開されている。HTLV-1変異解析によって、ATL特異的HTLV-1変異を見出したことから、ATL早期診断のマーカーとして利用される可能性が示唆された。さらにATL発症モデルマウスを作製したことによって、ATL発症機序の解明が期待される。
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今後の研究の推進方策 |
本研究計画が当初の計画以上に進展しているため、さらに検体数を増やし、さらに信頼度の高いデータが得られるように努める。また学会、論文等で本研究成果を公表する。
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