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2018 年度 実績報告書

線虫を用いた単為生殖のゲノム基盤解明

研究課題

研究課題/領域番号 17H03609
研究機関国立遺伝学研究所

研究代表者

小原 雄治  国立遺伝学研究所, 先端ゲノミクス推進センター, 特任教授 (70135292)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワードゲノム進化 / 長距離DNAシーケンス / PacBio / Irys / ハプロタイプ
研究実績の概要

モデル生物C.elegansに最も近い種である線虫Diploscapter coronatusは長期にわたり単為発生を続けてきたと考えられる。この線虫のゲノムは、相同染色体が互いに約6%という高いヘテロ性を示し、減数分裂に関わる遺伝子の欠損や異常が見つかった。単為生殖は雑種形成から始まると言われているが、本線虫の元になりえると推定されている線虫のゲノム配列決定及び本線虫ゲノム配列のphasing(相同染色体毎の完全配列決定)を行い、ゲノム比較により形成過程の手がかりを得たい。
このために、これまでにPacBioロングリードとIrysシステムを用いてD. coronatusゲノムのphasing(相同染色体毎の配列決定)に向けたハイブリッドアッセンブリを行い、最長69.1Mb、N50が22.8Mbの非常に大きいScaffoldが得られた。それぞれのScaffoldの順番は相同という前提で、それぞれの相同染色体が、一方は3つのScaffold(長さは2~69Mb)、他方は9本のScaffold(1.5~22.7Mb)でカバーされたと考えられた。この結果から、染色体上の遺伝子の並び方をC.elegans(染色体6本)と比較し、染色体融合の可能性を検討した。しかし、単為生殖の特殊性を考えると、染色体構造を確定する必要があることから、染色体FISHによるScaffoldの順番決定、Genomic Southern法による解析、Nanopore MinION(Oxford Nanopore)による解析、HiC法による解析等を開始したが、成育が遅いこともありまだ十分な結果が得られていないため、次年度に引き続き解析を続ける。
また、単為生殖開始経路を検討するために、Diploscapterに最も近いと思われるProtorhabditisの2種について、ゲノム解読の準備を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

PacBioのロングリードとIrysによる長距離scaffold構築が予想通りでき、数本のscaffoldでカバーされるまでにアッセンブルを進めることができ、染色体上の遺伝子の並び方をC.elegans(染色体6本)と比較し、染色体融合の可能性を検討できた。

今後の研究の推進方策

単為生殖の特殊性を考えると、染色体構造を確定する必要があることから、染色体FISHによるScaffoldの順番決定、Genomic Southern法による解析、Nanopore MinION(Oxford Nanopore)による解析、HiC法による解析等を進める。
また、単為生殖開始経路を検討するために、Diploscapterに最も近いと思われるProtorhabditisの2種について、ゲノム解読を進める。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 国際共同研究 (1件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] ケルン大学(ドイツ)

    • 国名
      ドイツ
    • 外国機関名
      ケルン大学
  • [備考] D.coronatus ゲノムデータベース

    • URL

      http://nematode.lab.nig.ac.jp/d_coronatus

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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