有性生殖の意義は生物学における長年の課題である。モデル生物C.elegansに最も近い種である線虫Diploscapter coronatusは長期にわたり単為発生を続けてきたと考えられる。この線虫のゲノムを解析したところ、染色体は1対(2n=2)であり、相同染色体が互いに約6%という高いヘテロ性を示すことがわかり、減数分裂に関わる遺伝子の欠損や異常が見つかってきた。 本研究では、さらに長鎖シーケンスの手法を用いて染色体レベルに近いphasing(相同染色体毎の完全配列決定)を行い、C.elegansゲノムとの関係を明らかにした。その結果、染色体融合を含めた複雑なゲノム進化が示唆された。
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