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2020 年度 実績報告書

代謝物理論マススペクトルライブラリの構築と普及

研究課題

研究課題/領域番号 17H03621
研究機関国立遺伝学研究所

研究代表者

有田 正規  国立遺伝学研究所, 情報研究系, 教授 (10356389)

研究分担者 田中 謙  立命館大学, 薬学部, 教授 (60418689)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワードマススペクトル / データベース
研究実績の概要

様々な脂質(LipidMapsの脂質分類において117クラス)についてスペクトルライブラリを構築し、構造の略記法とともに公開した。これら脂質クラスにはスフィンゴミエリンのアシル化体や、本研究で見いだされたベータ位水酸化型の脂肪酸を持つセラミドなど、これまで知られなかった構造も複数含んでいる。またこれまでコレステロールエステルやコレステロール配糖体など、コレステロールについては知られていた構造が、シトステロール、カンペステロール、ブラシカステロールといった植物ステロールでも動物体内で存在することを明らかにできた。
脂質の種類によって臓器特異性が見いだされた。植物ステロールの多くは副腎、アシルスフィンゴミエリンは腎臓、ビタミンAは肺特異的になる。配糖体やアシル化体は生理活性を抑えて蓄積するためとも考えられる。
また化合物同定に適したMS/MSスペクトルを実測データから構成するため、複数サンプルのスペクトルから相関の高いピークを抜き出してライブラリを構築する手法を開発した。オールイオン法と呼ばれる極めて複雑なMS/MSスペクトルから個々の化合物に相当するスペクトルを抽出することに成功し、CorrDec法として発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

スペクトルの解説や利用法を解説するサーバの構築が遅れているが、それ以外の部分は順調に進んでいる。

今後の研究の推進方策

国際連携に基づく論文は出せているが、国内のメタボロミクスを支援する日本語の情報が足りていない。国内向けの情報発信に注力したい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] A lipidome atlas in MS-DIAL 42020

    • 著者名/発表者名
      Tsugawa Hiroshi、Ikeda Kazutaka、Takahashi Mikiko、Satoh Aya、Mori Yoshifumi、Uchino Haruki、Okahashi Nobuyuki、Yamada Yutaka、Tada Ipputa、Bonini Paolo、Higashi Yasuhiro、Okazaki Yozo、Zhou Zhiwei、Zhu Zheng-Jiang、Koelmel Jeremy、Cajka Tomas、Fiehn Oliver、Saito Kazuki、Arita Masanori、Arita Makoto
    • 雑誌名

      Nature Biotechnology

      巻: 38 ページ: 1159~1163

    • DOI

      10.1038/s41587-020-0531-2

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Correlation-Based Deconvolution (CorrDec) To Generate High-Quality MS2 Spectra from Data-Independent Acquisition in Multisample Studies2020

    • 著者名/発表者名
      Tada Ipputa、Chaleckis Romanas、Tsugawa Hiroshi、Meister Isabel、Zhang Pei、Lazarinis Nikolaos、Dahl?n Barbro、Wheelock Craig E.、Arita Masanori
    • 雑誌名

      Analytical Chemistry

      巻: 92 ページ: 11310~11317

    • DOI

      10.1021/acs.analchem.0c01980

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

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公開日: 2021-12-27  

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