本研究では、系統的な進化実験のデータに基づき、ターゲットとした表現型への進化ダイナミクスを構成可能であることが示された。この手法を用いて様々なターゲット表現型への進化実験を行うことにより、どのような進化ダイナミクスが容易であるか、あるいは困難であるかを定量的に評価でき、進化過程がどのように拘束されているか、新たな理解をもたらすと期待できる。また、自然界で見られた進化過程を実験室で模倣することのより、そこで生じ得る表現型と遺伝子型の変化を詳細に解析することが可能となる。さらに、目的の表現型を持つ微生物をデザインする進化実験が実現すれば、医学的・生物工学的な応用を十分に期待することができる。
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