研究課題
O-GlcNAc修飾ペプチドに対する特異的抗体を用いてO-GlcNAc修飾された転写因子Aと相互作用しているタンパク質をプルダウンによって探索・同定することを試みたが銀染色ではほとんど確認できなかった。そのため、プルダウンしたサンプルを直接質量分析によって同定を行ったところ複数のタンパク質が同定された。質量分析で特定できたタンパク質に関しては、相互作用の確認をすべくcDNAを取得し、FLAG-tag付加して細胞内で発現させ転写因子Aとの共沈降を行い一部検証した。一方、相互作用するタンパク質を事前にビオチン化し、このタグを用いてタンパク質を精製・同定するという手法を検討した。ビオチンリガーゼ変異体BirA(R118G)にWJA-Fcを融合させたさまざまな組み合わせのタンパク質をCHO細胞に発現、プロテインAカラムによる精製後に活性と収量を比較検討し、WJA-BirA(R118G)-Fcをが最も良いことがわかった。これを細胞に振りかけ、ATPとビオチン存在下でWJAが結合するタンパク質およびその近傍のタンパク質をビオチン化し、二次元電気泳動で一つのスポットが染色された。上記の系をさらに普遍的に利用できるように、インテインを用いたプロテインライゲーションの実験系を検討した。BirA(R118G)をキチン結合ドメインの融合タンパク質として大腸菌で発現させDTTによりこのドメインを切断した。一方、Cys残基をN末端にもつタンパク質を作成し求核反応で融合させる手法である。タンパク質にCysを導入する手法は、まずTevプロテアーゼによる切断サイト(ENLYFQ/C)をN末に付加した組換体タンパク質を発現させる方法と、化学的に修飾を施す手法を行った。今後、O-GlcNAc修飾タンパク質と相互作用する分子の同定が容易に行うことができるようになり、機能に関する理解が進むと考えられる。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2019
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件)
Scientific Reports
巻: 9 ページ: 11247
https://doi.org/10.1038/s41598-019-47101-y
医学のあゆみ
巻: 269 ページ: 629
巻: 269 ページ: 720-726