生体は常に有毒な有機分子にさらされているが、細胞は防御策としてこれらを排出する機構を有している。この排出機構の分子実体は膜タンパク質である「排出輸送体」である。本研究では有機分子の排出機構に着目し、多剤排出輸送体MATEの構造解析を行った。 真核生物由来MATEに関しては,昨年度、シロイヌナズナ由来MATE輸送体AtDTX14の外向き開状態の構造を決定し、構造に基づいた変異体解析を行い、輸送機構を検証した。一方で、真正細菌由来のMATEであるVcmNについても構造解析を行った。本構造解析の結果から、VcmNはH+駆動力依存的なTM1折れ曲がりにより基質を排出することが示唆された。
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