研究課題
本研究では、世界最高感度のNMR装置群と独自開発の自動構造計算ソフトを駆使し、従来の分子量上限を超える分子量5万の蛋白質のNMR構造を「全自動」で決定するシステムの構築を目指す。具体的には、研究代表者らが開発中の全自動NMR構造解析プラットフォームMagROと独自のアミノ酸選択標識技術、既存のメチル基選択的軽水素標識等を駆使して分子量5万の花成ホルモン受容体の構造解析を行い、高分子量蛋白質のための全自動NMR構造解析システムの開発に取り組む。平成30年度は、平成29年度から継続して、(1)NMR統合解析プラットフォームMagROの開発、(2)メチル基に特化したNMRデータ取得法の確立、(3) メチル基に特化した全自動NMR構造解析ルーチンの開発、の技術開発を進めた。また、(4)花成ホルモン受容体の全自動NMR構造決定、(5)結晶化が困難な花成ホルモン受容体複合体や薬剤複合体の構造解析、にも取り組んだ。平成30年度の特筆すべき成果として、150残基程度の小さな蛋白質に適用可能な全自動NMR構造解析システムの完成が挙げられる。このシステムでは機械学習技術を導入することで高度な専門知識を必要とせず、複雑な操作無しにNMR構造決定の専門家と同程度以上の構造決定精度を達成できる、汎用性の高い仕様となっている。
2: おおむね順調に進展している
実験室の整備の遅れとそれに伴う機器導入の遅れによって研究の一部に遅れが出ていたが、繰越申請によってその遅れを取り戻すことができた。
当初計画通りに進める。具体的には、平成30年度から継続して、(1)NMR統合解析プラットフォームMagROの開発、(2)メチル基に特化したNMRデータ取得法の確立、(3)メチル基に特化 した全自動NMR構造解析ルーチンの開発、の技術開発を進めるとともに、独自のアミノ酸選択標識技術などと組み合わせ、(4)花成ホルモン受容 体の全自動NMR構造決定、(5)結晶化が困難な花成ホルモン受容体複合体や薬剤複合体の構造解析、に取り組む。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件)
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