研究課題
大腸菌の複製開始複合体は、複製起点DNA、開始因子DnaA蛋白質、DiaA蛋白質、IHF蛋白質から成り、DNAの1本鎖化と複製へリカーゼDnaBの1本鎖DNAへの導入を進める。研究計画[1] 「複製起点へのDnaBヘリカーゼの導入の分子機構の解明」では、開始複合体におけるDnaA, DnaB, DiaAの相互作用機構とその制御機構を中心に解析する。また、研究計画 [2] 「DnaA制御システムにおける適時的な機能制御の分子機構の解明」では、DnaA活性を制御するDARS系、および、DDAH系におけるDnaA複合体動態、および、IHF結合動態とその制御機構を中心に解析する。研究期間の最終年度となった2019年度は以下のような実績があった。[1] 複製起点へのDnaBヘリカーゼの導入の分子機構の解明昨年度の成果をもとに複製起点DNAとDnaA-DnaB複合体との相互作用、および、DnaAとDnaBとの相互作用について解析を進め、新たな分子機構を見出した。これらについては学会発表を行った。なおDnaA-DnaB間相互作用については昨年度から発展して今年度はDnaB側に着目して解析した。さらにDnaBとヘリカーゼローダーDnaCとの相互作用機構について構造生物学者との共同研究により解明し論文発表した。加えて酵母菌ORC(複製起点認識複合体)と1本鎖DNAとの相互作用動態について論文発表した。[2] DnaA制御システムにおける適時的な機能制御の分子機構の解明DnaA活性を制御する非コードDNA因子DARSやdatAで形成されるDnaA高次複合体について、さらに解析を進めた。特にDARSに関しては学会発表のみならず、論文発表を行った。この論文は専門家団体(F1000Prime)により高く評価された。また、これらのDNA因子を制御する新たな因子の探索についても学会発表した。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2020 2019 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (16件) (うち国際学会 4件) 備考 (3件)
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http://www.phar.kyushu-u.ac.jp/bbs/view2.php?S_Publ_Year=2019&word=&page=1&B_Code=474