トランスポーターは、構造変化と共役して標的分子を輸送する膜タンパク質であり、細胞内の恒常性の維持に深く関わっている。近年、トランスポーターに関連する様々な疾患が同定され、トランスポーターの作動機構を詳細に解明することは、学術・産業の両面において急務とされている。本研究では、私たち自主開発したトランスポーターの1分子計測技術群を総動員することで、構造変化と物質輸送活性の1分子同時計測(1分子構造機能解析)を実現し、トランスポーターにおける構造と機能の相関関係を直接的に解明することを目指した。これまでに、マイクロチップ上でFoF1の機能と構造変化を1分子単位で検出できるようになり、本研究目的をほぼ達成したと考えている。また、当該技術を他のトランスポーターの1分子解析へも拡張することに成功しており、今後は更なる研究活動の発展が期待できるものと確信している。
|