研究課題
A)ペルオキシソーム膜形成の分子機構の解明N末アンカー型I型膜タンパク質の一つであり、エーテル型リン脂質プラスマローゲン生合成経路の第3段階触媒酵素DHRS7Bがペルオキシソームと小胞体に両局在化する機構を明らかにした。酸化ストレス依存的なPex14のリン酸化誘導を見出し、これが過酸化水素分解酵素カタラーゼのペルオキシソームへの輸送を抑制することで細胞の酸化ストレス抵抗性を高めるという新規抗酸化ストレス応答機構を発見した。さらに、細胞周期依存的なPex14のリン酸化がペルオキシソームの生合成と機能を制御することも明らかにした。また、ヒト全遺伝子に対する網羅的な機能阻害スクリーニングにより過酸化水素によるストレス毒性の制御に関わる遺伝子群を発見、上記の研究成果とは独立に細胞の酸化ストレス抵抗性獲得におけるサイトゾル局在性カタラーゼの重要性を見出した。B) ペルオキシソーム形成障害の分子機構の解明B-1) ペルオキシソーム欠損性グリア細胞におけるBDNF発現増加の分子機構解明を目的とした研究により、サイトゾル局在性カタラーゼがサイトゾルのNADHやグルタチオン等の還元性代謝産物の増加を導き、BDNFの発現増加を誘導していることを見出した。B-2) ペルオキシソーム欠損マウス脳における遺伝子発現動態を解析するために、Pex14ノックアウトマウス脳のRNA-seq解析を行った(東京大学先端科学技術研究センター・児玉龍彦プロジェクトリーダーとの共同研究)。脳幹においてBDNF mRNAの特定のスプライシングバリアントの発現が増加していることを見出している。B-3) ペルオキシンPex2コンディショナルノックアウトマウスを確立、脳の形態解析を行った。海馬領域においてBDNFの発現量の増加と記憶への影響が認められる。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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