研究課題
本研究ではヌクレオポリン融合遺伝子産物の機能解析を通して、多くの白血病で異常が見られるHOX遺伝子発現制御のメカニズムを明らかにする。本年度はヒト白血病細胞株を用いた解析を進め、ヌクレオポリン融合遺伝子SET-NUP214発現細胞株では、HOXクラスターに活性化型RNAポリメラーゼIIが集積していることを見出した。さらにCRM1阻害剤で細胞を処理すると、HOXクラスターにおける活性化型RNAポリメラーゼIIが著しく影響を受けることが分かった。一方それ以外のゲノム上の、ほとんどの領域ではCRM1阻害剤の顕著な影響が見られなかったことから、HOXAおよびHOXBクラスター領域で特異的にCRM1依存的なRNAポリメラーゼIIの活性化が起きていることが示唆された。さらにCRM1とSET-NUP214がどのようにHOXクラスターにリクルートされているのかを解析した。SET-NUP214をノックダウンしてもCRM1のHOX領域との結合にはほとんど影響がなかったことから、クロマチン上のCRM1がSET-NUP214をリクルートしている可能性が示唆された。また核外移行シグナル(NES)を有しCRM1と結合することが知られる変異型NPM1についても解析を進めた。その結果、変異型NPM1もCRM1とともにHOXクラスターに結合していること、さらに変異型NPM1発現細胞においてもHOX遺伝子領域の活性化型RNAポリメラーゼIIがCRM1阻害剤に感受性を示すことが分かった。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2020 2019 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) 図書 (1件) 備考 (2件)
Virology
巻: 541 ページ: 41-51
10.1016/j.virol.2019.11.015.
Biochim Biophys Acta Mol Cell Res
巻: 1866 ページ: 1355-1367
10.1016/j.bbamcr.2019.05.001.
eLife
巻: 8 ページ: -
10.7554/eLife.46667.
https://www.nibiohn.go.jp/activities/nuclear-transport.html
https://www.oka-lab.info/