研究課題/領域番号 |
17H03684
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
笹井 紀明 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (80391960)
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研究分担者 |
別所 康全 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (70261253)
西 晶子 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (50772422)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 神経管 / 前駆細胞 / シグナル活性 / ソニック・ヘッジホッグ / 胚性幹細胞 |
研究実績の概要 |
神経前駆細胞の分化において、ソニック・ヘッジホッグ(Sonic Hedgehog; Shh)は運動神経前駆細胞をはじめとする腹側神経前駆細胞の運命決定や分化に重要な役割を果たす。Shhの影響を受ける前駆細胞においては、Shhのシグナル活性はいったん上昇し、その後時間の経過とともに徐々に減弱する。この減弱にかかる時間が分化にかかる時間や分化方向を決定することになる。本研究は、このシグナル活性のダイナミクスを制御する因子を単離すること、またシグナル活性の経時的変化と他のシグナルとの関係を明らかにすることである。 今年度は、Gタンパク質共役受容体の1つGPR17の解析を進めることにより、シグナルの経時的変化が神経前駆細胞の運命決定に重要な役割を持つことを証明した。特に機能喪失実験を充実し、神経前駆細胞の分化培養系を駆使することにより徹底した解析を行った。 そのほか、神経前駆細胞の前駆性を維持するエピゲノム因子を単離し、その解析を行った。その結果、前駆細胞のShh活性が維持されることが明らかとなり、Shh活性の経時的な変化と分化の密接な関連が明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
シグナル活性の経時的な変化を制御する因子について、ニワトリ胚、マウス胚性幹細胞における機能阻害実験、神経前駆細胞の培養を用いた徹底的な解析を行い、GPR17の機能を明らかにした。さらに、新規エピゲノム因子の機能解析を行い、分化とシグナル活性の関係を明らかにした。これらの到達度は当初予定していた計画にほぼ沿ったものである。
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今後の研究の推進方策 |
今後はエピゲノム因子の解析を進め、前駆細胞の分化、増殖とShhシグナルの関係を明らかにする。最終的にはGPR17を含めた制御ネットワークの一端を解明したい。
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