研究課題/領域番号 |
17H03702
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
植物分子・生理科学
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研究機関 | 基礎生物学研究所 |
研究代表者 |
川口 正代司 基礎生物学研究所, 共生システム研究部門, 教授 (30260508)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ミヤコグサ / 共生 / 窒素固定 / 根粒 / 遠距離制御 / マイクロRNA / オートレギュレーション |
研究成果の概要 |
マメ科植物は根の組織にリゾビウムを取り込むことにより、大気中の窒素を栄養源として利用できます。一方、共生窒素固定は多量の光合成産物を必要とするため、過剰な根粒の形成は宿主の生育を著しく阻害します。共生バランスを保つため、宿主植物は「葉」を介して根粒の数を最適化する仕組みを持っていることが知られています。 我々はマメ科のモデル植物ミヤコグサを用いて、葉で強く発現するマイクロRNA遺伝子 MIR2111-5を特定し、葉で合成されたmiR2111が根で機能する根粒形成抑制因子TOO MUCH LOVE (TML)を阻害することで、根粒の数を全身的にコントロールしていることを明らかにしました。
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自由記述の分野 |
植物微生物共生、植物生理学、発生生物学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
空気中に多量に存在するN2を、反応性の高いアンモニアに変換するために高温高圧で反応させるハーバー・ボッシュ法が知られていますが、マメ科植物に共生する根粒細菌は常温常圧で効率よく窒素分子をアンモニアに変換することができます。その際、多くの光合成産物を必要とするので、<葉による炭素同化>と<根での窒素固定>とのバランスが共生と植物の成長には極めて重要になります。私たちは葉で作られるマイクロRNAが根に作用することで根粒形成を遠隔制御していることを実証しました。 マメ科植物の窒素固定には多くのCO2吸収が必要であることから、地球温暖化を防止する次世代の植物生産に繋がることが期待されます。
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