現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
29年度研究計画に記載の分裂酵母における in vitro siRNA産生系の構築は、残念ながら様々な問題点が浮上して予定通り進まなかったが、セントロメア dg ncRNAイントロンによるヘテロクロマチン形成活性化機構については、形成活性化に関与する新規RNA結合タンパク質SPAC30D11.14cを同定することができ、本研究にとって大きな進展があった。 また、ヒト細胞を用いた解析も、セントロメアncRNAに結合する因子RBMXについて詳細な解析を実施でき、この因子がM期特異的にセントロメアncRNAに結合し染色体分離に重要な役割を担っていること、セントロメアncRNAがRBMXタンパク質量の維持に必要不可欠であることなどを発見した。これらの結果は、ヒトセントロメアncRNAの染色体分離制御における機能を解明する上で、非常に有用な知見である。RBMXに関する研究成果は、論文にまとめて国際誌 Genes to Cells に発表できた(Cho et al., Genes to Cells, 23, 172-184, 2018)。以上の結果から、本研究課題は「おおむね順調に進展している」と判断した。
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