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2020 年度 実績報告書

セントロメアノンコーディングRNAによるヘテロクロマチン形成と染色体動態の制御

研究課題

研究課題/領域番号 17H03712
研究機関熊本大学

研究代表者

谷 時雄  熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 教授 (80197516)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワードノンコーディングRNA / セントロメア / ヘテロクロマチン形成 / 染色体動態 / 分裂酵母 / YB-1 / リン酸化
研究実績の概要

分裂酵母では、セントロメアから転写される非翻訳性RNA(ノンコーディングRNA; ncRNA)がRNA干渉システムによりセントロメアヘテロクロマチン形成を行う。本研究は、染色体構築及び分離におけるこれらncRNAの機能を、分裂酵母とヒト培養細胞のそれぞれを用いて解析し、染色体動態におけるセントロメアncRNAの普遍的な役割と、それぞれの生物種特異的に進化したシステムの解明を目的としている。
令和2年度では、染色体セントロメアヘテロクロマチン形成に異常を示す分裂酵母のmRNA核外輸送変異株ptr8-1におけるセントロメアncRNAの機能解析を前年度に引き続き解析した。まず、ncRNAをセントロメア転写領域に保持する機能をPtr8pが持つことをより確実に証明するため、タグ付加野生型ptr8遺伝子に加えて、タグ付加ptr8-1変異遺伝子発現株を構築し、RIP法によりセントロメアncRNAとの結合実験を行った。その結果、ptr8-1変異によりPtr8pのncRNA結合活性が顕著に減少することが示された。ptr8-1変異は、酵母からヒトまで高度に保存されたアミノ酸配列DTxEMxYS内に変異(T225I)があり、この領域がncRNA結合活性を担う新規機能ドメインである可能性が示された。
また、ptr8-1変異のサプレッサー変異株17株についてChIP解析等を進め、セントロメアncRNAのsiRNAへのプロセッシング活性やヘテロクロマチン因子のセントロメア結合活性を回復させる3株を選別し変異遺伝子の同定を進めている。
ヒト培養細胞を用いた解析では、前年度に引き続き、染色体分離に関与するYB-1についてノックダウン解析や過剰発現解析を行い、YB-1が染色体分離と核の形態維持に必須な機能を持つことを証明した。また、YB-1遺伝子断片によるドメイン発現解析を進め、RNA結合モチーフを含むCold shock domain が核形態維持を含めた染色体動態制御に重要であることが示された。

現在までの達成度 (段落)

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2021 2020 2019 その他

すべて 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件) 産業財産権 (3件)

  • [学会発表] 放線菌由来化合物Kumamonamideおよび誘導体Y13の酵母に対する新規作用2020

    • 著者名/発表者名
      飯盛未菜,吉村華夏,高橋淳,石川勇人,谷時雄
    • 学会等名
      第92回日本遺伝学会
  • [学会発表] HeLa細胞核の分葉化誘導に関連するncRNA群の解析2020

    • 著者名/発表者名
      味舌環吾,髙森規維,野口貴史,谷時雄
    • 学会等名
      第92回日本遺伝学会
  • [学会発表] 分裂酵母Ptr8pのセントロメアヘテロクロマチン形成における機能解析2020

    • 著者名/発表者名
      堤優樹,坂本美鈴,前田雄大,水谷文哉,水城史貴,永井千駿,谷時雄
    • 学会等名
      第92回日本遺伝学会
  • [学会発表] RNA結合タンパク質YB-1を介した細胞核の分葉化機構の解明2020

    • 著者名/発表者名
      川端大輝,野口貴史,高森規維,平田久峰,味舌環吾,飯盛未菜,池田智哉,五十嵐雅之,谷 時雄
    • 学会等名
      第92回日本遺伝学会
  • [学会発表] Centromeric non-coding RNPs are involved in chromosome segregation and cytokinesis2020

    • 著者名/発表者名
      Takashi Ideue,Daisuke Fujibayashi,Satsuki Oyama,Tokio Tani
    • 学会等名
      RNA 2020, 25th Annual meeting of the RNA Society
    • 国際学会
  • [備考] 谷研究室ホームページ

    • URL

      http://www.sci.kumamoto-u.ac.jp/bio/staff/tani/index.htm

  • [産業財産権] イリノイド配糖体の製造方法および新規イリノイド配糖体2021

    • 発明者名
      石川勇人、谷時雄、井手上賢
    • 権利者名
      石川勇人、谷時雄、井手上賢
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2021-011906
  • [産業財産権] 焼酎/日本酒醸造に適した分裂酵母Schizosaccharomyces japonicus Kumadai株の作成2020

    • 発明者名
      谷時雄
    • 権利者名
      谷時雄
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2020-067255
  • [産業財産権] 植物成長抑制剤、およびそれを用いた植物成長抑制方法2019

    • 発明者名
      石川勇人、谷時雄、澤進一郎、石田喬志
    • 権利者名
      石川勇人、谷時雄、澤進一郎、石田喬志
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特許第6744926号

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公開日: 2021-12-27  

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