本研究では分裂酵母のヒストンメチル化酵素複合体CLRCに着目し、ヘテロクロマチンの形成とユビキチン化との関連を検討した。先行する研究でCLRCがヒストンH3を特異的にユビキチン化すること、またユビキチン化によってClr4のメチル化活性が促進されることを見出していた。本研究では、それらの分子機構をさらに詳細に解析し、1)Clr4のN末端領域がユビキチン化されたH3の認識に重要なこと、2)N末端のクロモドメイン近傍領域を欠損させたClr4変異体ではヘテロクロマチンのサイレンシングが解除されること、3)CLRCとの相互作用にはClr4のC末端領域が重要なこと、をそれぞれ明らかにした。
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