研究課題/領域番号 |
17H03719
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物多様性・分類
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
森 哲 京都大学, 理学研究科, 教授 (80271005)
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研究分担者 |
森 直樹 京都大学, 農学研究科, 教授 (30293913)
土岐田 昌和 東邦大学, 理学部, 准教授 (80422921)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 防御機構 / 毒 / 進化 / 爬虫類 / ホタル |
研究成果の概要 |
ヤマカガシは餌として食べたヒキガエルが持っている皮膚毒を取り込み、頸部背面にある頸腺という器官にその毒を溜め、自分自身の防御に再利用する。中国に生息するヤマカガシの仲間にはカエルを食べず、ミミズを主食とする種が存在する。これらの種も頸腺にヒキガエルの皮膚毒と似た物質を持つが、この毒はマドボタルの幼虫に由来することがわかった。すなわち、ヒキガエル毒の再利用からマドボタル毒の再利用への進化が中国産のヤマカガシ類で生じたことが示された。さらに、頸腺の形態は多岐にわたり、ヤマカガシ類で頸腺システムの多様化が進化していることを明らかにした。
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自由記述の分野 |
動物行動学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
毒を持つ餌を食べ、その毒を自分自身の防御に再利用する種は昆虫をはじめとする多くの動物群で知られている。ヤマカガシは餌毒を蓄積するためだけの頸腺という特殊な器官を持っているという点で、極めて珍しいヘビである。今回の研究により、毒源として利用する餌がヒキガエルからホタルへという、分類学的にも生態学的にもかけ離れた動物へ移行する進化が起こったことが示された。このような移行は他の動物群ではまったく知られていない極めて珍しい現象である。
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