本研究は、脊椎動物における親以外の個体による子育て行動を研究し、分類群間で見られる共通性、多様性、機能と制約要因を明らかにすることを目的とした。とくに、協同繁殖と呼ばれる、親以外の個体がある程度のコストを伴う子育て行動を行う種を対象に、子育て行動の利得構造、群れ及び親個体への影響を明らかにすることを目的とした。本研究によって、協同繁殖をするといわれている魚ベタ・ブロウノルムにおいて、非繁殖個体が繁殖個体の負担を分担していることがわかった。この点は、魚における協同繁殖の基準と合致するものであり、本種が協同繁殖種である可能性を示唆している。
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