研究課題
基盤研究(B)
優性の核コード雄性不稔性は、自殖性植物のイネを効率的に他殖させ、変異の幅を拡大する際に有効であると期待される。我々は、イネ品種Lebedに台中65号を連続戻し交雑する過程において、優性遺伝子支配と考えられる雄性不稔系統(LTMS系統)を得、その遺伝子のマップベースクローニングを行った。その結果、候補遺伝子を同定することができた。LTMS 系統と「コシヒカリ」「ひとめぼれ」の交雑実験の結果、LTMSが持つ優性の雄性不稔性をジャポニカイネに移入できることを明らかにした。
植物分子遺伝育種学
本研究をイネの品種改良に応用すると、自殖性作物のイネを効率的に他殖させ、ゲノムシャッフリングを行うことができる。トウモロコシなどの多殖性作物の育種法である循環選抜育種をジャポニカイネに応用できることになり、遺伝的多様性の大きい様々な優れたイネの品種改良を行うことが可能となる。