研究課題/領域番号 |
17H03747
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
遺伝育種科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
那須田 周平 京都大学, 農学研究科, 教授 (10273492)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 染色体切断 / ゲノム再編 / 配偶子形成 / 利己的遺伝子 |
研究成果の概要 |
パンコムギに近縁属のAegilopsから導入された特定の染色体(配偶子致死染色体)は配偶子形成過程で自己を持たない配偶子に染色体切断を誘発し、自己を優先的に後代へ伝達させる利己的な遺伝因子である。本研究は、配偶子致死遺伝子をクローニングし、同遺伝子による染色体切断の分子機構を解明することを目的として行った。具体的には、ゲノミクス的手法を駆使してマップベースドクローニングの手法で同遺伝子の候補配列を単離した。EMS 突然変異個体の配列解析、発現解析によって絞り込み、コムギに形質転換することでターゲット遺伝子の同定を行った。さらに、発現解析を行なって遺伝子の発現部位を解析した。
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自由記述の分野 |
遺伝育種学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で同定した配偶子致死遺伝子は染色体切断を起こす遺伝子で、ゲノムを改変するツールとして応用可能である。実際に、この遺伝子を活用してコムギに染色体構造変異を誘発し、不良形質遺伝子を除去することに成功している。この遺伝子と関連する遺伝子群の同定により、遺伝子発現をコントロールして、望むステージで適切な規模でゲノム再編を引き起こすことも視野に入ってきた。私たちは、この遺伝子がモデル植物である、シロイヌナズナやイネでも機能する可能性を示す証拠を得ており、コムギだけでなく多くの植物のゲノム改変のツールにすることを将来的な目標にできるところまで研究を進めることができた。
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