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2019 年度 実績報告書

収量に関与する果皮の裂開機構の生理的解析

研究課題

研究課題/領域番号 17H03754
研究機関北海道大学

研究代表者

藤野 介延  北海道大学, 農学研究院, 准教授 (80229020)

研究分担者 森下 敏和  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 次世代作物開発研究センター, 場長 (30414949)
山田 哲也  北海道大学, 農学研究院, 講師 (70374618)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード果皮 / AGAMOUS / ダッタンソバ
研究実績の概要

植物の種子の拡散や維持に深く関わっている組織の一つは、子房壁が発達した果皮である。作物にとって、植物が本来持つ種子を拡散させる能力は、収量や品質を著しく低下させ、輪作の栽培体系に於いては次年度の雑草発生の要因となる。
ダッタンソバにおいては、果皮の裂開に差が生じる「満天きらり」と「ライスタイプ固定系統」の形態を比較した。「満天きらり」の果皮では、数層の細胞層が厚壁細胞へ発達し、開花後43日目にはリグニンの蓄積が観察された。「ライスタイプ」においてはこのような細胞層が一層のままで、薄い果皮が形成された。この二次細胞壁が発達する細胞層は開花時の子房において両系統間ですでに差があることが観察された。そこで開花時の雌蕊からRNAを抽出し網羅的発現解析を行った。RNAシークエンシングの結果、AGAMOUS オーソログ(FtAG)のmRNAが「ライスタイプ」において42塩基欠損していることが示された。この欠損は翻訳産物に14アミノ酸の欠損をもたらすものであった。ゲノム配列を調べた結果、当該欠損領域に隣接する 3’-スプライスアクセプター部位のGが「ライスタイプ」においてはAに置換されていることが明らかになった。従来品種と「ライスタイプ」の交配で得られたF2集団を用いて連鎖解析を行なった結果、「ライスタイプ」の子孫は全て当該部位においてAのホモの接合型を示していた。
「ライスタイプ」におけるFtAGの14アミノ酸の欠損は、自身やそのホモログとの複合体形成に関わるとされるKドメインに位置していた。このことから、ライスタイプの果皮の表現型はFtAGの複合体形成能の欠失により引き起こされていることが予想された。

現在までの達成度 (段落)

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2021 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] A putative AGAMOUS ortholog is a candidate for the gene determining ease of dehulling in Tartary buckwheat (Fagopyrum tataricum)2020

    • 著者名/発表者名
      Yuka Fukuie, Hana Shimoyama, Toshikazu Morishita, Daisuke Tsugama, Kaien Fujino
    • 雑誌名

      Planta

      巻: 251 ページ: 85

    • DOI

      10.1007/s00425-020-03374-6

    • 査読あり
  • [学会発表] A putative AGAMOUS ortholog is a candidate for the gene determining pericarp phenotype in Tartary buckwheat2021

    • 著者名/発表者名
      Yuka Fukuie, Hana Shimoyama, Toshikazu Morishita, Daisuke Tsugama, Kaien Fujino.
    • 学会等名
      日本植物生理学会
  • [学会発表] A putative AGAMOUS ortholog is a candidate for the gene determining ease of pericarp removal in Tartary buckwheat2020

    • 著者名/発表者名
      Yuka Fukuie, Hana Shimoyama, Toshikazu Morishita, Daisuke Tsugama, Kaien Fujino.
    • 学会等名
      日本植物生理学会
  • [学会発表] 次世代シークエンサーを用いたダッタンソバ果皮形質に関する遺伝子解析2019

    • 著者名/発表者名
      福家優花, 津釜大侑, 下山花, 森下敏和, 藤野介延
    • 学会等名
      日本育種学会
  • [学会発表] ダッタンソバの果皮のむけやすさを決定する遺伝子の候補の解析2019

    • 著者名/発表者名
      福家優花, 津釜大侑, 下山花, 森下敏和, 藤野介延
    • 学会等名
      日本作物学会

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公開日: 2021-12-27  

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