研究課題/領域番号 |
17H03779
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
江澤 辰広 北海道大学, 農学研究院, 准教授 (40273213)
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研究分担者 |
曾根 輝雄 北海道大学, 農学研究院, 教授 (00333633)
増田 税 北海道大学, 農学研究院, 教授 (60281854)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | アーバスキュラー菌根菌 / 酸性土壌 / 共生 / リン酸 |
研究実績の概要 |
菌根形成による耐酸性獲得においては、菌根経路からの窒素供給の貢献が---特にイネ科植物では---大きいと考えられるものの、窒素輸送機構はよく分かっていない。AM菌では、菌糸中に多量に蓄積される塩基性アミノ酸のアルギニンが窒素の輸送形態であると考えられており、リンの輸送形態であるポリリン酸の負電荷を中和する対イオンとして、両者が共輸送されるモデルも提唱されている。酸性硫酸塩土壌および川砂を混合した培土に、菌糸のみが通過できるナイロンメッシュバッグを二重に挿入し、耐酸性AM菌Rhizophagus clarus RF1株を接種、または非接種のススキを8週間栽培した。メッシュ外側の菌糸区画には、窒素およびリン酸肥料を3段階の濃度で組み合わせて施肥した。二重メッシュの間には、同一培土を12 mmの厚さで充填し、菌糸区画から菌根区画への肥料の拡散防止帯とした。栽培終了後、メッシュバッグの外側からは外生菌糸、内側からは根を収穫して二つに分割し、一方は植物体重量、リンおよび窒素含量を測定した。他方はRNA保存液に浸漬後、RNAを抽出して75 bpシングルエンドシーケンスを行なった。得られたシーケンスリードはススキおよびR. clarus ゲノムにマッピングして発現定量を行なった。菌糸区画への窒素施肥は、植物体乾燥重、窒素およびリン吸収量を有意に増加させたのに対し、同区画へのリン施肥は植物体リン吸収量を増加させたものの、乾燥重や窒素吸収量には影響を及ぼさなかった。さらに、リン吸収量と窒素吸収量との間の相関解析を行ったところ、200-kg N施用区で有意な正の相関が認められたものの、0-および100-kg N施用区では認められなかった。これらの結果は、AM菌による窒素輸送系が、リン輸送系からは独立していることを示唆するものである。
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現在までの達成度 (段落) |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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