今後の研究の推進方策 |
生細胞内でのマグネトソーム形成機構を時空間的に解析するため、mamQ欠損株を用いて、マグネトソーム形成過程を制御できる磁性細菌株を作製する。得られた株において、マグネトソーム形成に重要な機能を持つ蛋白質(MamQ, MamI, MamC, MamK, MamJ等)のマグネトソーム小胞形成時の細胞内動態を、生細胞蛍光イメージングにより観察することで、これらの蛋白質がどのようにマグネトソーム小胞形成に関わり、形成されたマグネトソームをどのように細胞内配置するかを解析する。観察には、全反射蛍光顕微鏡と高い感度と時間分解能をもつデジタルカメラ(ORCA-Flash4.0)(H30年度購入費を計上)を使用する。観察に高度な空間解像能が必要な場合は、超解像レーザー顕微鏡(TCS-STED)を用いて、詳細な局在を調べる。 一方、最近国外の研究グループが、分子生物学的手法によりMamB, E, I, Q, Lの5つのマグネトソーム蛋白質がマグネトソーム小胞形成に重要な機能を持つことを報告した。しかし、これらの蛋白質の細胞内局在や発現時期や発現量などの実態は不明である。そこで、これらの蛋白質を大腸菌で発現、精製する。得られた蛋白質を抗原として抗体を作成し、免疫組織化学的手法により、磁性細菌内でのこれらの蛋白質の詳細を調べる。また、精製したこれらの蛋白質と人工膜を用いて、膜小胞形成活性を検証する。
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