本研究では、磁気センサーとして働く細菌の細胞内小器官「マグネトソーム」の形成過程を解析した。マグネトソーム小胞の形成初期に関わる4つの蛋白質に着目し、その細胞内局在と蛋白質相互作用を網羅的に調べた。その結果、これらのマグネトソーム形成に関わる蛋白質群は、マグネトソームに局在し互いに相互作用すること、また、マグネトソーム小胞内への鉄輸送や酸化還元反応に関与する蛋白質群とも複合体を形成することが示唆された。さらに、マグネトソーム合成を制御できる磁性細菌株を用いた生細胞蛍光イメージングにより、マグネトソームの動的な形成過程の観察に成功した。
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