I. sakaiensisはポリエチレンテレフタレート (PET)を唯一の炭素源として増殖することができる細菌である。これまでの研究で2種の異なる酵素がI. sakaiensisのPET分解を可能にしていることが見出された。本研究では、本細菌が効率的にPETを分解する詳細な仕組みについて研究を進めている。今年度はPET加水分解酵素の結晶構造解析および生化学的な機能解析、細胞における局在について解析を進めた。PET加水分解酵素の結晶構造解析においては、他グループより同酵素の結晶構造が発表されたため、方針の変更を余儀なくされた。一方で結晶構造が明らかとなったことで、基質との相互作用解析においてターゲットとすべき領域が推定できる利点が生じた。後者においては顕微鏡観察などにより酵素が細胞外に存在していることを明らかにした。
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