研究分担者 |
石井 一夫 久留米大学, 久留米大学バイオ統計センター, 准教授 (60449238)
刑部 敬史 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(生物資源産業学域), 教授 (70450335)
山田 秀俊 公益財団法人岩手生物工学研究センター, 生物資源研究部, 主任研究員 (70511955)
中沢 威人 京都大学, 農学研究科, 助教 (80608141)
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研究実績の概要 |
光照射1時間後に急激に発現が上昇する遺伝子(fas1, cfs1, cfs2, nod1) のゲノム編集による変異株を作成し、表現型を解析した結果、cfs1ゲノム編集変異株(cfs1-3)のみ光照射によるknot形成が抑制された。光照射後6時間後以降に発現が上昇する遺伝子(lcc1, phe, fccm2)の変異株を作成したところ、fccm2変異株では、knotは形成後の子実体への成長が抑制された。光受容体であるdst1, dst2, wc2についてゲノム編集による変異株を作出したところ、全て同調的なknot形成が抑制された。それらの変異株では全てfas1, cfs1, cfs2の発現が抑制された。knot形成に必須な遺伝子及び、それらの制御に関わる光受容体について、重要な知見が得られた。 fas1遺伝子プロモーターの下流にルシフェラーゼ(luc)遺伝子をつなぎ、菌糸に光を照射することでルシフェラーゼ発光が検出できる系を確立した。プロモーターデリーションアッセイを行なったところ、fas1遺伝子の発現を抑制している領域があることが示唆された。光照射によるfas1遺伝子の発現制御機構の解明を進めることができる系を構築できたと考えられる。 脂質修飾酵素であるcfs1遺伝子の変異株でknot形成が抑制されたことから、cfs1変異株と野生株との脂質の比較を行った。その結果両者では脂質組成に大きな差があることが明らかになり、knot形成機構の解明に向けて重要な知見が得られた。 knot形成領域におけるRNA-seqデータの取得を行なった。knot形成領域、knot形成領域より外側、内側及び光照射後のknot形成領域でのRNA-seqリードの取得が完了した。光照射後のデータの解析から、既知のfas1等の発現が上昇することが確認されている。このことから信頼性の高いデータが得られたと考えられる。
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