研究課題
1. フグに存在する新規テトロドトキシン(TTX)関連化合物とその類似化合物群の単離、構造決定、生合成経路の推定有毒フグ抽出物を詳細にLC-MS/MSで解析した結果、新規のTTX関連化合物が数種みつかった。これらのTTX関連化合物のフグ中の含有量はTTXに比べて著しく少ないが、LC/MSでの分析方法や分離方法を確立し、数種について単離、構造決定した。特に、ハチノジフグTetraodon biocellatusから得られた一連の新規スピログアニジノ化合物の構造から、TTXは、最も酸化度の低いスピロ化合物から多段階の酸化反応を経て、まず、5,6,11-trideoxyTTXになり、そこから、TTXに生合成される経路が考えられた。また、ごく微量だが、さらに新規TTX類縁体2種が見つかり、純度よく単離できた。2. 麻痺性貝毒サキシトキシン(STX)の生合成研究STXの後期の生合成経路の解明: 麻痺性貝毒関連物質を生産する淡水産藍藻より、未知のSTX類縁体を検出し、HR-MSからの分子式や、MSMSパターンから候補化合物を2種絞り込み、それらを比較的多く生産される類縁体のC1/C2から化学誘導した。そして、11, 12位の異性体をそれぞれ詳細にNMR解析して立体化学を確定した。その上で、上記の未知類縁体とLC-MSで比較し、その未知化合物が、12-beta-deoxygonyautoxin 3であることを証明した。本化合物の生合成には、C11, C12の酸化反応およびC11の硫酸エステル化反応が関わると考えられ、報告されているSTX生合成遺伝子クラスターの遺伝子で説明できると考察した。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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