研究実績の概要 |
静岡県静岡市の静岡大学農学部圃場に生育する落葉期のブナを対象に、異なる高さの非同化器官におけるクロロフィル蛍光の測定を行い、高さ別・方位別による光利用効率について解析を試みた。測定は落葉期の12月に行い 、高さ1.3, 3.5, 5.5, 7.5, 9.5, 10.0m(樹高10.4m)で実施し、9.5, 10.0mでは当年枝と1年枝を対象とした。また、各高さともに、4方位で測定を行ったが、当年枝と1年枝では方位を決めずに測定を行った。 幹では高くなるにつれて、yield値(Fv/Fm, ΔF/Fm’)が増加した。一方、当年枝のyield値は1年枝より低くなった。Fv/Fmの平均は、幹で0.265~0.626、枝ではそれぞれ0.638と0.586だった。幹ではyield値の顕著な日変化はなかったが、当年枝・1年枝では日中のyield値が低下した。また、幹でのyield値に方位による違いはなかった。
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