研究課題/領域番号 |
17H03836
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研究機関 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
研究代表者 |
山浦 悠一 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 (20580947)
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研究分担者 |
雲野 明 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 森林研究本部林業試験場, 主査 (20414245)
佐藤 重穂 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (10353707)
藤間 剛 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (60414489)
庄子 康 北海道大学, 農学研究院, 准教授 (60399988)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 渡り / 環境経済 / 環境保全型農林業 / 東南アジア |
研究実績の概要 |
東アジアには世界で最も多くの種類の渡り鳥が生息しているが、多様性の根幹をなす小鳥の渡りルートは全く明らかになっていない。越冬地の東南アジアは土地利用が急速に変化しており、それにより渡り鳥が将来的に減少すると懸念される。本研究では、ジオロケーター(小型照度計)を日本で繁殖する草地性・森林性の鳥類2種(それぞれノビタキとキビタキ)に装着し、両種の渡り経路と越冬地を解明する。明らかになった越冬地の環境変化が、日本の繁殖個体数の増減に影響しているか、モニタリングデータを用いて検証する。そして、渡り経路の解明が、東南アジアにおける環境保全型農林業への日本人の支払意志額の増加につながるかを環境経済評価により明らかにする。 初年度である本年度は、割り当てられた予算を踏まえ、捕獲方法や捕獲体制を再検討した。当初は、草地性種のノビタキと森林性種キビタキ両種を捕獲することとしていた。しかし、キビタキの捕獲と再捕獲は困難が予想されたことから、本年度はノビタキの捕獲は見送り(再来年以降に行なう予定)、キビタキの捕獲に集中することとした。キビタキに関しては、当初計画通りに捕獲を行なった。具体的には、5月から6月にかけて、道内の森林で私たちが開発してきた誘因システムを用いてオス個体を捕獲した。カラーリングを付けたのち、ジオロケーターを装着して放鳥した。また、帰還率の比較対象とするため、足環のみ装着した対照群を設けることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
割り当てられた予算を踏まえ、捕獲対象とする種類を調整したものの(ノビタキの捕獲は再来年以降に変更)、キビタキの捕獲は予定通りに行なうことができたため。
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今後の研究の推進方策 |
次年度はキビタキの帰還個体を探索して再捕獲を試みる。再捕獲は相当な苦労が予測されるので、捕獲方法などを皆で相談・工夫しながら実施する。具体的には、昨年捕獲した場所を再訪し、足環をつけた帰還個体を確認したら、再捕獲を試みる。個体の捕獲が難しい場合には、捕獲を一旦あきらめる。一定期間経過度に、捕獲方法や時間などを変更して再捕獲を試みる。ジオロケーターを回収できたら、データを適宜回収し、共同研究者と相談して渡り経路の推定作業を行なう。
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