研究課題
基盤研究(B)
研究代表者は二次壁にナノ周期をもつ物性差が存在することを走査型プローブ顕微鏡で見つけた。このナノ周期物性差は細胞壁形成の日周性に発現理由があると考え研究を行った。形状解析レーザー顕微鏡で観察すると反射レーザー強度の強弱が同心円状の細胞壁縞状構造を可視化できた。反射強度が生じる原因は、細胞壁中のセルローススやマトリクス成分の分布がもたらす干渉によって生じると考えられた。走査型プローブ顕微鏡では、夜長の生育条件で分化した細胞壁ほど、層状構造が明瞭であった。
木質科学
これまで明らかにされてなかった細胞壁二次壁の超微細構造の一端を示して細胞壁の理解を深めた。細胞壁は優れた生物材料である。形成の機序と完成した細胞壁の構造との関係が明らかになったことは、生育条件によって細胞壁の構造を制御できる可能性を示したことを意味する。木質科学研究において形状解析レーザー顕微鏡、走査型プローブ顕微鏡、イオン液体電子顕微鏡を利用知識の蓄積に貢献した。