研究実績の概要 |
可食部位で発現する筋肉遺伝子の発現解析: 遺伝子組換えアマゴとそれのコントロールである非組換え体の可食部位である筋肉で発現する遺伝子43800個の中から体重変化と遺伝子組換えの変化をF-値と一般化Nairの分布を使って、主効果である成長(体重増加)と共に変化する遺伝子群と遺伝子組換えにより統計的に有意に変化する遺伝子群の選抜を行った結果、其々1704個と2083個が選抜された。更にこれらの遺伝子をシグナル伝達による解析を行う為にヒトに対応する遺伝子を再度選抜した結果、910個と1114個が抽出されました。これらを用いてシグナル伝達の解析をした結果、遺伝子組換えによるシグナル伝達は33個検出された。その中でも非組換え魚間でのパターンと組換え魚間のパターンで異なり、更に組換え魚と非組換え魚との比較で大きく異なるパターンを示したものはDopamine receptor signaling, Melatonin signaling, phospholipase signalingなどであり、組換えアマゴでのみ増加していた。一方、体重変化の主効果で選抜された遺伝子群のシグナル伝達は遺伝子組換えでは見られなかったActin cytoskeleton signaling, ILK signaling, PPARα/RXRαActivation,P38MAPK signalingが選抜された。組換えによる選抜された遺伝子群のシグナル伝達から推測された病態としては筋肉組織の変異や死が増加し、オートファジーの増加、線維化の増加、脂肪酸代謝の減少が見られた(森、関)。その他、イメージングMSによる肝臓組織のATP関連の解析を行った。その結果、遺伝子組換えアマゴではATP,ADP,AMPの含量が非組換え体に較べて減少していることが明らかになった(井上)。
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